定期考査の実施時間帯に探究系が取り組む「探究系特別講座」の一環として、「パン酵母を用いたGFP遺伝子導入実験」を2・3年生合同で実施しました。
GFPとは、「緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)」のことで、1962年に下村脩(しもむら おさむ)博士によってオワンクラゲから単離されたタンパク質であり、現在では生物学・医学の研究には欠かすことのできないツールとなっています。
今回の講座では、1週間前にGFP遺伝子を導入した酵母を紫外線照射下で観察し、本実験の目的や仕組みを2・3年生合同で考察しました。
実際にGFPによって光っている酵母。まるで星空やプラネタリウムを見ているかのような、神秘的な酵母の様子に感動しました。

観察が終わったら、この実験の仕組みをじっくり考え議論しました。3年生は「バイオテクノロジー」をすでに学習済みだったので、実験プロトコルから仕組みを理解したうえで、2年生にレクチャーしました。



ディスカッションを進める中で、「なぜわざわざ正常な酵母ではなく、遺伝的な異常(ウラシル合成遺伝子欠損)を持つ酵母を用いたのか?」「ウラシルを合成できない酵母にウラシル合成遺伝子を入れても、ウラシルがそもそも存在しないからRNAは合成できないはずでは?」など、様々な疑問も生まれ、議論も白熱し、深い理解につながりました。
(本実験を行うにあたり、山口大学・創成科学研究科赤田星田研究室の皆様に多大なご協力をいただきました。ありがとうございました。)